漆×ユメノハキゴコチ ~漆を用いたハイヒール~

【誕生への想い】

 

はっと目が覚めるような赤。それでいてどこか心を落ち着かせてくれる赤。

日本の漆だからこそ出せる独特の艶色。

 

靴と言えば、イギリス、イタリア等を中心としたヨーロッパが本場。

伝統的を守り、素晴らしい靴が創られている。腕のいい職人もたくさんいる。

 

これまでは、本場ヨーロッパの靴にあこがれ、必死にそれを追いかけてきた。

本場の靴に負けないものをつくりたいと。

 

しかし、ある日気づいてしまった。それは、自分が心から美しいと、

うっとりと我を忘れるほど魅力的だと思えるものではないということに。

 

「誰でもない自分が、ほんとうにきれいでうっとりするものはなんだろう」

さくら、ほたる、紅葉、粉雪。

時に鮮やかで、時に儚く、弱々しい。けれどその存在自体が優しく愛おしい。

 

こんな美しさを足元に纏うことができたら、なんて素敵だろう。

 

漆を見た瞬間、漆にはその美しさを強く感じた。

それは何年もの月日をかけて人の手から手へ、ゆっくりとその哲学が凝縮されたもの。

たくさんの愛や優しさが詰まっている。

 

鯖江の素晴らしい漆職人さんの御協力のもと、この靴をつくることができた。

 

おしゃれと履き心地のよさの両立、これを目指して今まで靴をつくってきたが、

今回の漆の靴は、心が恍惚する美しさに重点をおいたものになっている。

 

きっとこの美しさに共感してくれる人がこの靴を履いてくれれば、この上なくうれしく思う。

日本だからこそ味わえる靴があってもいい。